熱発電ウオッチ
熱発電は宇宙開発の分野では早くから利用されております。1977年に打ち上げられた「ボイジャー1号」にもこの原理を応用した熱発電装置が搭載されています。
腕時計においては、それほど大きな起電力は必要としないものの、腕時計として成立するサイズに封じ込めなければならず、熱発電素子として大幅な小型化と高度な微細加工技術が必要とされます。また、宇宙で生じるような温度差に比べ体温と外気という極微量の温度差をできるだけ活用するための断熱構造等が必要となります。人間の身体が発生している熱エネルギーを100%電気エネルギーに変換できたとするならば、60Wの電球を点灯するほどと言われています。
ウオッチの熱発電は金属材料や半導体材料の両端に温度差を与えると電圧が生じるという「ゼーベック効果」を応用しております。この原理は今から150年前に発見されております。
(注): 本内容は、日本時計協会会員及びその製品に適用されている事項です。
時計には、ウオッチ(どんな姿勢でも作動し、かつ携帯することを目的とした時計)と
クロック(一定の姿勢で使用する時計)があります。