時と暦の知識

時間の長さ

太陽の動き
著作者 : helmuthess

時は絶え間なく規則正しく流れています。この流れた時の量が時間の長さになります。

1日の長さは主に地球の自転によって決まりますが、1日を24等分(午前、あるいは午後を12等分したもの)が1時間になります。更に1時間を60等分したものが1分であり、1分を60等分したものが1秒ということになります。

分(minute)は「小さく分けた部分」、秒(second)は第2の分(second minute)のことで「第2の小さく分けた部分」というラテン語が語源になっています。

以上が、現在一般的に使われている時間の長さの概念ですが、一日を昼と夜にまず分けて、それをそれぞれ等しく分割することによって時間の長さを定める方法もあります。これを不定時法といいます。不定時法では季節によって昼の時間と夜の時間の長さが変動します。従って、一単位あたりの時間の長さが昼と夜では異なることになります。

時計が普及しておらず、太陽によって時間を判断していた時代には、太陽とともに生活のサイクルができあがっていたので、生活のリズムと合致している不定時法が使いやすかったのでしょう。

日本でも江戸時代から明治の初期に使われていた時刻制度はこの不定時法でした。

エジプトの暦(シリウス暦)
エジプトの暦(シリウス暦)セティI世の墳墓壁画より。紀元前1200年頃のもの。真ん中にシリウスが見える。

出典:科学からのメッセージ クオーツ時計 東京連合印刷(株)

コーヒーブレーク時間の分割で12あるいは60が使われる理由

古代バビロニア人が数学・天文学で使用していた「12進法、60進法、円周360度」から時間の単位は作られたと言われています。獲物を分ける、農作物を分ける等、分割しやすい数というのが、便利な単位であったということも背景にあったようです。

円を分割するのに6等分をベースにした分割方法は使いやすかったのだと思われます。6等分は1辺が半径の長さになる正三角形となるので、半径の長さで円周上を切っていくと簡単に6等分することができます。更にそれぞれ半分に分けると12等分が完成します。

12等分されたものは、半分にも、4等分にも分けられるし、3等分、6等分、そして12等分にも分けられる、分割するのに便利な数字なのです。

更にそれぞれを5等分したものが60分割になります。60分割にすると5等分や10等分も可能になりより使い勝手がよかったのでしょう。(60は100までの数字で最も約数の多い数字)

12進法、60進法、円周360度

60は1から100の中で最も約数が多い数字。

10 の約数 1, 2,     5,   10,                
12 の約数 1, 2, 3, 4,   6,   12,              
60 の約数 1, 2, 3, 4, 5, 6, 10, 12, 15, 20,   30,   60,  
100 の約数 1, 2,   4, 5,   10,     20, 25,   50,   100