1日とは (2)
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実際の太陽の位置によって測定した一日の長さは日によって微妙に異なっており、これをそのまま使うと毎日の長さが一定しませんので、実際の太陽(真太陽)の動きを平均化した太陽(平均太陽)を想定し、この太陽が南中してから次に南中するまでの時間を一日としました。これを平均太陽日といいます。そして、この平均太陽日をもとに決められた時刻を平均太陽時といいます。
平均太陽が南中した時を正午といい、時の計測の基準点となっています。天文学で使う時間などでは正午を一日の区切りとしておりましたが、日常生活の活動は昼間に活発に行われることから、正午に日付が変わってしまうと不便なので、1日の始まりは「平均太陽の時角+12時間」と決められています。
つまり、1日の長さは正午から次の正午までであり、1日は正午の12時間前(前の正午との中間)に始まり、正午の12時間後(次の正午との中間)までが1日ということになります。正午の12時間前から正午までを午前、正午から正午の12時間後までを午後といいます。
※ 英語では午前と午後をそれぞれ ante meridian / post meridian といい(ラテン語の原形はそれぞれ ante meridiem / post meridiem )a.m. / p.m.と略す。meridian (ラテン語meridiem)は子午線のことであり、ante meridian は子午線の前、post meridian は子午線の後という意味。
※ 太陽は天の赤道に対して23゚27'傾いた黄道上を1年かかって移動しており、しかも、地球の軌道がわずかに楕円軌道を描いているため一定の速度で動いているわけではない。それによって、真太陽日の1日の長さは絶えず変化している。
コーヒーブレーク一日の始まり
現在、広く使われている時間では一日の始まりは正午の12時間前となっていますが、朝一日が始まると多くの人が感じていると思われます。生活の夜型への移行は25時といった表現の登場にも表れていると思われます。
一方、イスラムの世界では日没とともに一日が始まると考えられています。
また、天文学の世界で使う天文時では古くから正午が一日の始まりとなっており、航海で使う船舶時間にも使われていました。天文学の世界においても1925年1月1日より正午の12時間前を一日の始まりとするようになりました。