1年が約365日だと発見したのはどこの人?

解説1 : エジプトの暦 1

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

種をいつまいたらいいか、冬への備えをいつから始めたらよいかなど、1年の季節の移り変わりを知ることは、人類が生きていくためにとても大切だ。でも、昔の人びとは、1年がどのくらいの日数で巡るか、正しくはわかっていなかったんだ。

1年が約365日かけて巡ると初めて発見したのは、今から約6000年前の古代エジプトの人びとだといわれているよ。

エジプトでは、ナイル川が毎年、夏になるとあふれて洪水を起こしていた。そして、エジプトの人びとは、洪水が起こるころには、太陽が上る直前の東の空に、地上から見える最も明るい星シリウスが輝くことに気づいたんだ。

それをきっかけに観測を進めているうちに、星の見え方が約365日で一回りしているとわかった。そこで、365日を1年とするカレンダーをつくったんだ。

次へすすむ

解説2 : エジプトの暦 2

イラスト

当時のカレンダーをイメージすると、こんな感じになる。30日の月が12か月あり、残りの5日を神様の祭日としていたんだね。1か月が30日なのは、月の満ち欠けがだいたい30日で1周するからだよ。

次へすすむ

解説3 : 1年とは

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

1年が約365日なのは、地球が約365日かけて太陽の周りを1周するからなんだ。
地球が太陽の周りを回るにつれて、地球への太陽の光の当たり方が変わり、昼の長さも変わって、季節が春、夏、秋、冬へと移り変わっていく。そして、約365日たつと1周して、また同じように季節が移り変わる。これを毎年繰り返しているんだ。

ちなみに、昼の時間がいちばん長い日を夏至、昼の時間がいちばん短い日を冬至、そして、昼と夜の長さが同じになる日を、春分と秋分というよ。

次へすすむ

解説4 : ユリウス暦

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

古代エジプトの人たちがつくった1年が365日のカレンダーは、何年もたつうちに少しずつずれてしまった。じつは、地球が太陽の周りを1周するのはぴったり365日ではなく、365.2422日だったんだ。この問題を解決するために、エジプトの人たちは工夫をして、1年を366日にする「うるう年」を4年に1度つくって調整した。

このカレンダーは、今から2000年くらい前に、古代ローマの皇帝ユリウス・カエサル(シーザー)が、エジプトからローマに持ち帰って、ローマの公式なカレンダーに採用したのをきっかけに広まったんだ。これを「ユリウス暦」というよ。ちなみに、採用する時は、それまで使っていたカレンダーとのずれを調整するため、1年間を445日にしたんだって。

それから、ほかの月は30日か31日なのに、2月だけが28日と短かったり、うるう年で調整をしたりと特別な月になっているのは、当時は12月ではなく2月が一年の終わりとされていたからなんだ。

次へすすむ

解説5 : グレゴリオ暦

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

こうして始まったユリウス暦も、何百年もたつうちに少しずつずれが積み重なって、16世紀の中ごろには、11日も進んでしまった。

そこで、1582年、4年に1回ではなく、400年間に97回のうるう年があるカレンダーを、ローマ法王グレゴリウス13世が発表したんだ。これを「グレゴリオ暦」といい、今でもカレンダーとして使われているのはこの暦なんだ。

ユリウス暦だと約128年で1日のずれが生まれるけれど、グレゴリオ暦なら約3221年で1日だから、かなり正確だね。ちなみに、ユリウス暦からグレゴリオ暦に切り替えたときは、暦を10日間飛ばしてしまったので、混乱した人も多かったみたいだよ。

次へすすむ

解説6 : 暦の進化

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

1年が約365日であることに気づいてカレンダーが生まれ、年月を重ねるうちに大きくなるずれをうるう年で調整し、それをさらに正確なものにしていく。
今のようなカレンダーができるまでには、昔の人たちの工夫の積み重ねがあるんだね。
 

最後に、地球の動き(自転・公転)と1日や1年の移り変わりについてまとめると、こんなふうになるよ。

次へすすむ

解説7 : 1年と1日、公転と自転の関係

イラスト