「自動巻き腕時計」はどうするだけで動く?

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ホロロジはかせのちえぶくろ

機械式の腕時計は、動力であるぜんまいバネを巻かなければ動かない。そして、ぜんまいバネを巻く方法は、最初は「手巻き」だった。腕時計の「りゅうず」と呼ばれるねじを手でつまんで回すことで、バネが巻かれるんだ。しかし、うっかり巻くのを忘れると、時計が止まってしまうよね。そこで開発されたのが、「自動巻き」だ。時計全体を振ると、その動きを使ってほどけた分のぜんまいバネが巻かれるしくみになっているんだ。人間は、歩くときに腕を振るから、時計全体が振られる。だから、わざわざ時計を振らなくても、毎日、身につけて歩いていれば、それだけでぜんまいバネが巻かれるというわけ。だから、「自動巻き」と名付けられたんだよ。

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信頼できる自動巻き時計は、1780年、スイスのアブラアン・ルイ・ブレゲによって発明された。ブレゲが発明したのは自動巻きのしくみだけではないよ。先がとがって一部が丸くなっている針の形や、ちょっと右に傾いた数字などもブレゲの発明で、その後、多くの時計で使われるようになったんだ。時間だけでなくカレンダーが表示されるしくみも、ブレゲの発明だ。そんなブレゲは、時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも言われているよ。

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ブレゲの発明した自動巻きのしくみは、その後、発展していった。なかでもよく知られているのが1959年に日本のセイコーが開発した「マジックレバー」だ。歩くときに腕が左右に振れる動きを、ぜんまいを巻き上げる動きに効率よく変えるしくみで、部品の数が少なくてすむなどの長所もある。こうした進歩もあり、自動巻きの腕時計は広く使われるようになったんだよ。