万年時計の歯車は何の力で動く?
後ろ向きにちょっと引(ひ)っ張(ぱ)ってから手を離(はな)すと前に進む、おもちゃの車があるよね? このおもちゃの車は、うずのように巻かれた細長い金属(きんぞく)の板「ゼンマイバネ」の力で動いているんだ。万年時計にも、これと同じようなゼンマイバネが入っていて、その力で歯車が動くんだよ。
ゼンマイバネは、ねじを巻(ま)くと、中心の棒(ぼう)にゼンマイバネがうずのように巻きつく。そして、手を離(はな)すと、ぜんまいバネがほどけて元に戻ろうとする。この力を利用して、時計の歯車を回したり、おもちゃの車を動かしたりするんだ。今の時計は電池で動くものが多いけれど、以前は、万年時計だけでなく多くの時計が、おもちゃの車と同じゼンマイバネの力で動いていたよ。
腕時計(うでどけい)は、40年くらい前まではほとんどがゼンマイバネの力で動く「手動巻(ま)き」だった。リューズというつまみを巻くとゼンマイバネが巻かれ、それがほどける力で時計が動いたんだ。ただし、おもちゃの車は走った後、すぐ止まるけれど、時計はそれではこまるよね。だから、ゼンマイバネが元に戻る力が少しずつはたらいて時計が動くようにしているんだ。万年時計は、一度ゼンマイバネを巻くと、一年間ずっと動き続けたんだって。