江戸時代にホントにあった時計は?
「江戸(えど)時代の「時間」はいまとどこが違(ちが)った?」で説明したように、江戸時代の時間の進み方は、太陽の動きに合わせた「不定時法(ふていじほう)」で、季節(きせつ)によって進み方が変(か)わったんだ。そこで、時計も、季節によって変えられるものがつくられた。これを「和時計(わどけい)」というよ。
季節によって変えるためのくふうはいろいろあった。たとえば、「割駒式文字盤(わりこましきもじばん)」は、まるいレールの上を、文字盤の数字が動かせるようになっている。季節によって数字を動かし、針(はり)が正しい時刻を示すようにして使っていたんだね。
割駒式文字盤の数字は、人間が手で動かすものが多かったけれど、それではめんどうくさいし、まちがえてしまうかもしれない。そこで、江戸時代の終わりころには、人間がいちいち動かさなくても、季節に合わせて自動的に文字盤の数字が動く時計もつくられたよ。上の写真の「万年時計(まんねんどけい)」もその一つ。次回でくわしく説明するね。