オリンピックの陸上100m走のゴールは何で判定する?
オリンピックの陸上の100m走は、60年くらい前までは、人間の目で順位を判定し、人間がストップウオッチでタイムを測(はか)る「手動計時」だった。なるべく正しく測れるように、1人のランナーのタイムを3人が測ったり工夫をしていたんだ。それでも、人間の目にたよるやり方には限界があるから、順位やタイムをめぐってクレームが起こることもあったんだよ。
そこで、1964年の東京五輪から正式に採用されたのが、人間ではなく機械が自動的にタイムを測る「電子計時」だ。スタート用ピストルからスタート信号が機械に送られてタイムを測り始める。そして、ゴールラインに向けられたカメラがゴールの瞬間(しゅんかん)を連続撮影(さつえい)し、それをもとにタイムや順位を決める。そんなシステムを、日本の時計会社が開発したんだ。これをきっかけに電子計時システムはどんどん進化して、今では1秒間に3000枚(まい)も撮影する「スリットビデオカメラ」などが開発されて、正しい順位判定やタイム計測が行われているんだよ。