自動巻発電ウオッチ

ウオッチが動かされるたびに、自動的に発電及び充電を行なう機能を自動巻発電といい、その機能をもつウオッチを、自動巻発電ウオッチといいます。(自動巻発電ウオッチの定義)

クオーツ時計が発売される以前のウオッチは自動巻の機械式時計が主流でしたから、自動巻の回転錘を使って発電し、その電気でクオーツ時計を動かそうと言う自動巻発電のアイデアはクオーツ時計開発当初からありました。

ただしそのような機構で生み出される電気は極微量で、当時のクオーツ時計を動かすには全く不十分でした。また発電した電気を溜めておく仕組みも未発達で当時は実現性に乏しいアイデアでした。 その後のクオーツ時計の省電力化と蓄電技術の発達により、実用化が可能になったのです。

自動巻発電は自転車のライトと同じ「電磁誘導」の原理で機能します。この原理を応用して、回転錘の運動を使って永久磁石をコイルの近くで回転させ、コイルに生じた電流を充電ユニット(二次電池など)に溜めて、クオーツ時計を動かすのです。

自動巻発電ウオッチの機構は以下の通りです。

  1. 腕を動かすと、半円形の「回転錘」が回転します。
  2. その回転は、輪列機構によって約100倍に増速されてAGローターに伝達されます。
  3. AGローターの高速回転によって、コイルブロックに電圧が起き、電流が流れます。
  4. 発電された電流は、充電ユニットに充電されます。
  5. 充電ユニットから電気エネルギーが駆動回路に供給されてクオーツウオッチを動かします。

水晶式ムーブメント(自動巻発電式アナログクオーツ)

(注): 本内容は、日本時計協会会員及びその製品に適用されている事項です。
時計には、ウオッチ(どんな姿勢でも作動し、かつ携帯することを目的とした時計)と
クロック(一定の姿勢で使用する時計)があります。